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医薬品Q&A

ザノサー

Q. 溶解後、保存できますか。溶解後の安定性について教えてください。
A. ザノサーは保存剤を添加していないため、溶解後は速やかに使用してください1)
ザノサーを各種輸液と0.2%及び2.5%濃度に調整し、無色透明のポリプロピレン製ボトルに入れ、室温(25±3℃)室内蛍光灯下で24時間までの安定性を検討しました2)
生理食塩液は0.2%及び2.5%濃度とも6時間まで変化が認められませんでしたが、24時間後にはストレプトゾシン残存率がわずかに低下しました。
20%マンニトール液は0.2%及び2.5%濃度とも6時間まで変化が認められませんでした。2.5%濃度では24時間後に白色の沈殿が認められました。
5%ブドウ糖液、乳酸リンゲル液、乳酸リンゲル液(マルトース添加)、維持液(ソリタ-T3号)は0.2%及び2.5%濃度とも24時間までほとんど変化が認められませんでした2)

  1. 1) ザノサー点滴静注用1g 添付文書 (第4版) 9.適用上の注意
  2. 2) ザノサー点滴静注用1g インタビューフォーム (第5版) p.6
Q. 併用禁忌薬剤を教えてください。
A. ●併用禁忌薬剤1)2)
注射用プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム、フロセミド注射液
上記薬剤とは配合変化を起こし、沈殿が生じることが確認されています。混合しないようにお願いします。
フルオロウラシル注射液
上記薬剤と混注すると、ザノサーの活性低下をきたすことが確認されています。混合しないようにお願いします。
なお、ザノサーの投与をされる患者様に配合変化および配合禁忌薬剤を投与される場合は、ルートの変更または本剤注入前後に生理食塩液で十分なフラッシュをお願いします。

  1. 1) ザノサー点滴静注用1g インタビューフォーム (第5版) p.7-8
  2. 2) ザノサー点滴静注用1g 添付文書(第4版)9.適用上の注意
Q. ザノサー(ストレプトゾシン、STZ)は、他の抗悪性腫瘍剤と併用できますか。
A. ザノサーと他の抗悪性腫瘍剤との併用は骨髄抑制等の副作用を増強する可能性があるため、併用注意となっています。
Q. 腎毒性を軽減するためにハイドレーションは必要ですか。
A. ザノサー投与による腎毒性予防のために、ハイドレーションを行ってください。
用法・用量に関連する使用上の注意に「輸液を行い、尿量確保に注意すること1)」としております。
十分に水分を補給することにより、腎および尿における本剤およびその代謝物の濃度を下げ、尿細管上皮に対する腎毒性のリスクを減らすことができます1)
国内第I/II相試験ではプレメディケーションとして、十分な量の輸液を行っています。その結果、軽度又は中等度の尿蛋白、血中クレアチニン増加を認めましたが、全てGrade 1および2の副作用であり、腎不全等の重篤な副作用の発現は認めませんでした。

  1. 1) ザノサー点滴静注用1g 添付文書 <用法・用量に関連する使用上の注意>
Q. 推奨するハイドレーションのプロトコールはありますか。
A. 国内第I/II相試験では、プレメディケーションとして以下のプロトコールを例示し、腎毒性の発現を予防するために十分な輸液によるハイドレーションを行っています。
<国内第I/II相試験でのプレメディケーション1)

  1. ザノサー投与前、500mLの電解質輸液を2時間かけて点滴静脈内投与する。
  2. ザノサー投与前、100mLの電解質輸液と制吐剤を30分かけて点滴静脈内投与する。
  3. ザノサー投与時、ザノサーの生理食塩液溶解液全量を100mLの電解質輸液に混和し、30分かけて※点滴静脈内投与する。
  4. ザノサー投与終了後、250mL の電解質輸液を1時間かけて点滴静脈内投与する。

※22例中2例で、血管痛の訴えにより投与速度を遅らせたため、1回の投与時間が約2時間となった。他の症例は、およそ30分かけて投与した。

  1. 1) ザノサー適正使用ガイド (2015年11月作成) p.9 2.ご使用に際しての注意点
Q. ハイドレーションに使用する輸液の種類を教えてください。
A. ハイドレーションに使用する輸液に規定はございません。国内第Ⅰ/Ⅱ相試験時では、主に「生理食塩水」「リンゲル液」「5%ブドウ糖液」などが使用されていました。
Q. 催吐性リスク分類では何に分類されますか。また、対処法はありますか。
A. 日本癌治療学会 制吐剤ガイドライン1)において、いずれも「高度(催吐性)リスク」、あるいは「High emetic risk(高度催吐性):90%を超える患者に発現する」と位置づけられています。
日本癌治療学会 制吐剤ガイドライン1)では、以下のように高度抗催吐性抗悪性腫瘍剤に対しては〔アプレピタント(またはホスアプレピタント)+5-HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン〕の3剤併用療法が推奨されています。
なお、ザノサーの国内第I/II相試験においては大部分の症例は制吐剤2剤併用(5-HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン)が使用されており、アプレピタントが使用されていた症例は2例のみでした。

  1. 1) 日本癌治療学会 制吐療法ガイドライン「注射抗がん薬の催吐性リスク分類」http://www.jsco-cpg.jp/guideline/29.html
Q. 血管痛の発現頻度を教えてください。
A. 第I/II相臨床試験時1)には22例中13例(59.1%)で血管痛が報告されています。
また、2015年2月23日から2015年8月24日までの市販直後調査2)では63例中7例(11.1%)で本剤投与による血管痛が報告されています。

  1. 1) ザノサー点滴静注用1g インタビューフォーム (第5版) p.33-35
  2. 2) 「市販直後調査」の最終報告(6ヶ月間)
Q. 血管痛への対処方法を教えてください。
A. ザノサー®点滴静注用に特異的なことではありませんが、静注剤点適時の一般的な血管痛対策としては十分な輸液で希釈する、投与前、投与中に患部を温かいタオルで温める、などが言われております。本剤の国内第I/II試験では、ホットパックを使用した施設がありました。
Q. 血管外漏出した場合の対処法について、 「組織障害性に基づく分類」では何に分類されますか。
A. ESMO-EONSのガイドライン※において、本剤は重篤な組織障害を引き起こす可能性のある“Irritant”(炎症性抗がん剤)に分類されています1)。しかしながら、一部”Vesicant”(壊死性抗がん剤)に分類している文献2)もあります。

※ESMO(EUROPEAN SOCIETY FOR MEDICAL ONCOLOGY、欧州臨床腫瘍学会)
EONS(European Oncology Nursing Society、欧州腫瘍看護学会)

  1. 1) J.A.Perez_ Ann Oncol. 2012 Oct;23 Suppl 7:vii167-73.(zas0006)
  2. 2) Support Care Cancer. 2015 May;23(5):1459-71(zas0043)
Q. 血管外漏出した場合の対処法について、漏出時の対処方法を教えてください。
A. 薬液が血管外に漏れた場合は、以下の処置を行ってください1)

  1. 注射を速やかに中止する。
  2. 血管外に浸潤した薬液の吸引、排液を試みる。
  3. 漏出部位の疼痛、紅斑、腫脹、硬化、壊死の有無を綿密に確認する。
  4. 疼痛が持続する場合は、患部を冷却圧迫し、3~4日後も疼痛が持続していたり、皮膚の変化が進展したりしている場合には、外科医の診察を受ける。
  1. 1) ザノサー点滴静注用1g インタビューフォーム (第3版) p.38
Q. 「流通管理品目」や「納入先制限」のある製品ですか。
A. 本剤は、「流通管理品目」であり、「全例調査」もお願いしている製品です。納入制限はありません。
Q. ザノサーのバイアルについて以下の情報を教えてください。

  • ゴム栓直径
  • アルミキャップ直径
  • アルミキャップ高さ
  • バイアル直径(全長)
  • バイアル胴幅

A.

  1. ゴム栓直径:8.1mm
  2. アルミキャップ直径:20.9mm
  3. アルミキャップ高さ:7.0mm
  4. バイアル高さ(アルミキャップ込):58.5mm
  5. バイアル胴幅:30.0mm

但し、1~3は3ロット実測値です。4.は、製造ロットにより、多少の誤差があります。

ノーベルバール

Q. 「溶解後は速やか(6時間以内)に使用すること」(添付文書記載事項)としているのはなぜですか。
A. 溶解後、品質規格の範囲内(類縁物質濃度が規格値0.2%以下)であることが確認されているのは6時間以内です1)。ただし、無菌状態であるかは確認しておりません。

  1. 1) ノーベルバール静注用250mg インタビューフォーム (第5版) p.5
Q. 溶解後6時間を超えて投与することはできますか。
A. 溶解後6時間を超えての投与は避けていただき、溶解後速やかにご使用いただくようお願いします。保存される場合は、無菌状態を保って、溶解後6時間以内に投与してください。
Q. 配合試験の結果を教えてください。
A. ●配合禁忌薬剤1)
ビタミンK(メナテトレノン)、ベクロニウム臭化物、アミカシン硫酸塩、ゲンタマイシン硫酸塩、ドパミン塩酸塩、L-アスパラギン酸カリウム、注射用エリスロマイシン(エリスロマイシンラクトビオン酸塩)上記薬剤とは配合変化を起こすことが確認されています。混合しないようにお願いします。
ノーベルバールの投与をされる患者様に配合禁忌薬剤を投与される場合、ルートの変更または ノーベルバール注入前後に生理食塩液で十分なフラッシュをお願いします。
●その他、配合試験結果を有する薬剤2)
ノーベルバールの安定性(外観、pH、残存率)は表に示すとおりです。なお、残存率は、弊社品について確認したものであり、配合薬剤の残存率については検討しておりません。
配合薬剤の安定性については、該当薬剤の製造会社にご確認をお願いします。

  1. 1) ノーベルバール静注用250mg インタビューフォーム (第5版)p.8
  2. 2) ノーベルバール静注用250mg インタビューフォーム (第5版)p.5-7
Q. 投与速度に決まりはありますか。
A. 投与速度については、添付文書に以下の記載があります。投与速度が速すぎる場合、急激な血中濃度上昇により、呼吸抑制や血圧低下などの副作用が現われることがあります。
≪新生児けいれん≫
「新生児では、5~10分かけて緩徐に投与すること。ただし、患者の状態に応じ、より緩徐に投与することも考慮すること1)。」
≪てんかん重積状態≫
「てんかん重積状態では10分以上かけて投与すること。ただし、100mg/分の投与速度を超えないこと1)。」

  1. 1)ノーベルバール静注用250mg 添付文書(第7版)
Q. 連日投与(連用)する際の注意点を教えて下さい。
A. てんかん重積状態における用法・用量は「15~20mg/kgを1日1回静脈内投与」で、追加投与および維持投与についての設定はありません。
新生児けいれんにおける用法・用量は、初回投与は「20mg/kgを静脈内投与し、けいれんがコントロールできない場合は、患者の状態に応じ、初回投与量を超えない範囲で用量を調節し、静脈内に追加投与します。その後の維持投与は、フェノバルビタールとして、2.5~5mg/kgを1日1回静脈内投与します。追加投与を行う際には、患者の状態を観察し、初回投与から十分な間隔をあけた上で、実施をお願いします1)

  1. 1) ノーベルバール静注用250mg 添付文書(第7版) 用法・用量に関連する使用上の注意
Q. 他のフェノバルビタール製剤と投与量が異なる理由を教えてください。
A. ノーベルバールは他のフェノバルビタール製剤と効能・効果が異なるためです。ノーベルバールの効能・効果は新生児けいれん、てんかん重積状態です。
けいれん発作を止めるため、初回投与によりできる限り速やかに血中濃度を治療域まで到達させる必要があります。
≪新生児けいれんの場合1)
治療域血中濃度の下限(15μg/mL)を達成するために、「初回投与は20mg/mLを静脈内投与する。けいれんが消失しない場合には、同量を追加投与する」ように設定しました。
また維持投与については、初回投与により消失したけいれんの再発防止を目的に、治療域血中濃度を維持できる用量として、2.5~5mg/kg/日としました。
≪てんかん重積状態の場合1)
てんかん重積状態での用法用量として、速やかな発作抑制のために、治療域血中濃度を達成することが重要であるため「15-20mg/kgを静脈内投与する」と設定しました。

  1. 1) Jpn J Clin Pharmacol Ther 42(4) 205-210 July 2011
Q. ノーベルバールの特徴を教えてください。
A. ノーベルバールは「新生児けいれん、てんかん重積状態」を効能・効果とする静脈内投与のフェノバルビタール製剤です。
●製剤的特徴

  • ノーベルバールはフェノバルビタールにナトリウムが結合した凍結乾燥製剤です。フェノバルビタールは水に極めて溶けにくいという性質がありますが、ナトリウムと結合したフェノバルビタールナトリウムは水に極めて溶けやすい性質となります。
  • ノーベルバールは新生児の治療にもご使用いただく製剤ですので、添加物を含んでおりません。
  • ノーベルバールの浸透圧は2.5-2.6です。

【参考】
ノーベルバール®:静注製剤、添加物なし、「効能・効果」新生児けいれん・てんかん重積状態
フェノバール®注:皮下・筋注製剤、添加物あり、「効能・効果」不安緊張状態の鎮静(緊急に必要な場合)、てんかんのけいれん発作、自律神経発作、精神運動発作
フェノバール®散・錠・エリキシル:経口製剤、添加物あり、「適応症」不眠症、不安緊張状態の鎮静、てんかんのけいれん発作、自律神経発作、精神運動発作
ワコビタール®坐剤:直腸内、添加物あり、「効能・効果」小児に対して経口投与が困難な場合の次の目的、催眠、不安・緊張状態の鎮静、熱性けいれん及びてんかんのけいれん発作の改善
●体内動態:体内においては、フェノバルビタールナトリウムもフェノバルビタールとして作用を示します。また静注であるため速効性があります。

Q. 適用上の注意に「通常、1バイアルを5mLの注射用水または生理食塩液に溶解する」とありますが、溶解後、希釈して使用することはできますか。
A. 希釈して投与することは可能ですが、その場合は、溶解後の安定性1)及び配合変化試験結果2)を確認ください。
ただし、配合試験結果は配合時のノーベルバールの物理化学的安定性を試験したものであり、配合相手の薬剤の物理化学的安定性は検討しておりません。
●体内動態:体内においては、フェノバルビタールナトリウムもフェノバルビタールとして作用を示します。また静注であるため速効性があります。

  1. 1) ノーベルバール静注用250mg インタビューフォーム (第5版) p.5
  2. 2) ノーベルバール静注用250mg インタビューフォーム (第5版) p.6-7

ユニタルク

Q. 懸濁後の安定性について教えてください。
A. 懸濁後の安定性試験は実施しておりません。
また、一度懸濁した製剤の再分散性は検討を行っておりません。
懸濁後は直ちにご使用いただくようお願いします。
Q. タルク投与時の胸痛緩和のための局所麻酔薬(キシロカイン等)の投与方法について局所麻酔薬の投与方法(投与時期、投与量、投与ルート等)を教えてください。
A. 投与時期、投与量、投与ルート等の情報として、国内第Ⅱ相試験(医師主導治験)では、本剤の投与直前に1%塩酸リドカイン10mLを薬液注入用チューブから胸膜腔内に注入しています1)
これ以外の方法については、安全性、有効性を確認しておりません。

  1. 1) ユニタルク適正使用ガイド p.11(2015年10月作成版)
Q. 両側肺に同時に投与できますか。
A. 両側悪性胸水に対して、両側肺の胸膜腔内に本剤を同時投与した場合の有効性安全性は確立していません1)。そのため、4gを片側肺に1回のみまた、本剤を両側に同時に投与した場合、計8gを投与することになり、タルクの全身吸収に伴う急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発現リスクが高まると考える2)3)4)ため、推奨できませんとの報告があります。

  1. 1) ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g 添付文書 (第4版) 用法・用量に関連する使用上の注意
  2. 2) Sahn SA.J Bronchology2002;9(3):223-7
  3. 3) Janssen JP.Monaldi Arch Chest Dis 2004;61(1):35-8
  4. 4) 奥村武弘.新癌の外科-手術手技シリーズ9.肺癌(メディカルビュー社)2005:132-5
Q. 排液量の減少が十分でない等、効果が得られていない場合、追加投与することはできますか(胸腔ドレナージチューブ抜管前)。
A. 同側肺の胸膜腔内に本剤を追加投与した場合の有効性及び安全性は確立しておりません1)。そのため、追加投与はおすすめしません。
4gを1回のみ投与いただくようお願いします。
投与量が増加することで、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発現リスクが懸念されます。特に10gを超えるタルクを投与した場合2)にはリスクは高まるとされています。

  1. 1) ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g 添付文書 (第4版) 《用法用量に関連する使用上の注意》
  2. 2) Sahn_SA.J Bronchology2002; 9: 223-7.
Q. ARDSの発生機序について教えてください。
A. タルク製剤によるARDSの発生機序は解明されておりません。
原因の一つとして、胸膜小孔を介したタルクの全身移行に伴う炎症が考えられています1)
また、タルク粒子の全身移行について考慮すべき危険因子として、「タルクの過量投与と粒子径」が指摘されています1)2)3)

  1. 1) Nick A. Maskell Am J Respir Crit Care Med. 2004 Aug 15;170(4):377-82
  2. 2) 奥村武弘 新癌の外科‐手術手技シリーズ9.肺癌2005 132-5
  3. 3) Sahn SA. J Bronchology 2002; 9: 223-7
Q. ARDSの発現時期を教えてください。
A. 24~48時間以内のARDSによる呼吸困難、咳などの初期症状の発現が報告されています。
1958年から2001年までの文献報告では、5228例中43例(0.8%)でタルク投与48時間以内に急性呼吸不全が生じています1)
海外の臨床試験では、4gのステリタルクを投与した翌日に呼吸困難・息切れ・肺感染症のARDSとみられる臨床所見が確認されています2)

  1. 1) Sahn SA. J Bronchology 2002; 9: 223-7
  2. 2) Kelly MG.Eur J Intern Med 2007;18(8):611
Q. 累積投与量増加によって、ARDS発現リスクは高まりますか。
A. 10gを超えるタルクを投与した場合には、急性呼吸不全(ARDS)の発現率が高くなることが報告されています1)
また、国内外の臨床報告において、タルク製剤における投与量別ARDS発現状況2)を調査したところ、ユニタルクの承認用量である投与量4gではARDSの発現頻度は0.5%でしたが、投与量10gでは4.3%まで上昇しています。

  1. 1) ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g 添付文書 (第4版) 【使用上の注意】6.過量投与
  2. 2) ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g 適正使用ガイド 2015年10月作成 p.9
Q. 投与時に使用するチューブに規定はありますか。(推奨するチューブはありますか。)
A. 特に規定はございませんが、本剤は懸濁剤であるため、径の小さいチューブを使用すると、詰まる恐れがあります。
できるだけ太いチューブをご使用ください。
ご参考までに、国内第Ⅱ相試験(医師主導治験)では16~24Fr(フレンチ)のダブルルーメン胸腔ドレナージチューブを使用していました1)

  1. 1) ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g インタビューフォーム (第4版) p.13
Q. 調製時に、ガウン着用や安全キャビネットでの調製が必要ですか。
A. 特にガウン着用や安全キャビネットでの調製が必要というわけではありません。
注入される際には、通常の施設における処置時の装備(ガウン、手袋、マスク、キャップ、エプロン等)でお願いします。
Q. ユニタルクに毒性(有害性)はありますか。
A. 本剤は皮膚に付着した場合でも刺激性や毒性(有害性)は低いとされています。
タルクは含水ケイ酸マグネシウム(鉱物)を粉末にしたものであり、化粧品領域で広く使用されています1)

  1. 1) 奥村武弘 新癌の外科‐手術手技シリーズ9.肺癌(メジカルビュー社)2005_132-5
Q. ユニタルクが皮膚やリネンに付着した場合の対処方法を教えて下さい。
A. ≪皮膚・傷口への付着≫
皮膚や傷口に付着した場合は、速やかに洗い流して様子を見てください。
本剤に皮膚毒性はございませんが、炎症などが認められた場合には速やかに皮膚科を受診してください。
≪衣服・リネンへの付着≫
本剤に毒性や被爆の危険性はございませんが、ふき取ったあと、念のため単独で洗濯するようにしてください。
なお、排液は「感染性廃棄物」になりますので、排液が付着した場合はご施設の基準に準じた取り扱いをお願いします。
Q. NSAIDsと併用した場合、癒着効果は減弱しますか。
A. タルクによる胸膜癒着は、「組織の炎症を誘引とした胸膜癒着の惹起」であるとされています。そのため「NSAIDsなどの抗炎症剤」の併用は、炎症を抑制するため、効果(癒着効果)が減弱する可能性がある1)2)という基礎論文があります。
しかしながら、2015年12月発表の臨床論文3)では、NSAIDsを用いても3ヶ月後の癒着効果の減弱は見られなかった(オピオイドと比較して非劣性であった)とされています。

  1. 1) Xie C, Teixeira LR, McGovern JP et al. ;Am J Respir Crit Care Med 1998; 157: 1441-4
  2. 2) Haddad FJ, Younes RN, Gross JL, et al. ;World J Surg 2004; 28(8): 749-54
  3. 3) JAMA. 2015 Dec 22-29;314(24):2641-53.
Q. 胸膜癒着の作用機序を教えてください。
A. ユニタルクが胸膜癒着を惹起する作用機序は十分に解明されていませんが、タルク投与による胸膜腔内の炎症状態が誘因となり、胸水中にTGF-β、TNF-α、IL-1、IL-8等が分泌され、コラーゲン線維が形成されることにより臓側胸膜と壁側胸膜の癒着が起こると考えられています1)

  1. 1) ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g 添付文書 (第4版) 薬効薬理2.作用機序
Q. タルク投与後の「発熱・疼痛」にNSAIDsを併用することはありますか。
A. 国内第II相試験において、30例中16例に「発熱」が見られました。
その16例全てにNSAIDsが投与されています(15例にロキソニン(ロキソプロフェン)、1例にボルタレンサポ(ジクロフェナク坐剤))。
また、「疼痛」が見られた2例のうち、1例がNSAIDs(ロキソニン(ロキソプロフェン))、残りの1例にはNSAIDsではない鎮痛剤(カロナール(アセトアミノフェン))が投与されました
Q. ステロイド剤の併用について癒着への影響はありますか。
A. コルチコステロイドを全身投与されている患者では、胸膜癒着が起こりにくいことが報告されています1)2)。胸膜癒着は壁側胸膜と臓側胸膜の炎症に引き続き起こる修復過程で生じるため、ステロイドをはじめとする抗炎症剤の併用で癒着効果が減弱する可能性があります3)4)

  1. 1) ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g 添付文書 【使用上の注意】8.その他の注意
  2. 2) Roberts ME:Thoarx 2010;65(suppl2):ii32-ii40
  3. 3) Xie C, Teixeira LR, McGovern JP et al. Am J Respir Crit Care Med 1998; 157: 1441-4
  4. 4) Haddad FJ, Younes RN, Gross JL, et al. World J Surg 2004; 28(8): 749-54
Q. 胸膜癒着術を行った場合の保険請求について教えてください。
A. 胸膜癒着術は処置に該当します。(手術ではありません)
保険点数の算定は胸腔穿刺となります。(DPC病院では包括扱いとなります)
「J008 胸腔穿刺 220点(洗浄、注入及び排液を含む。)」1)
※注 6歳未満の乳幼児の場合は、110点の加点となります。

  1. 平成28年度診療報酬改定について(厚生労働省HP)
    http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html
  2. 1) J008 胸腔穿刺
    http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335765&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114821.pdf

レスピア

Q. 配合禁忌の薬剤とその理由を教えてください。
A. 配合禁忌の薬剤は、「フロセミド注射液」、「注射用ピペラシリンナトリウム」、「注射用バンコマイシン塩酸塩」です1)。混合後に白濁等を生じたため、配合禁忌としています。

  1. 1)レスピア静注・経口液60mg添付文書(第3版) 7.適用上の注意 (2)調製方法
Q. リーフレット「レスピアの使用にあたって」に、「注:経口投与の場合、ミルクで希釈した場合には経腸栄養チューブで投与することが望ましい」と記載されている理由を教えてください。
A. 新生児、特に未熟児の消化管は十分発達していないため、ミルクで希釈し哺乳瓶などで服用させた場合には、吐き出す場合があり、薬剤が吸収されない可能性があります。
「レスピアの使用にあたって」のリーフレットの監修は日本新生児成育医学会にお願いしました。その際にミルクで希釈した場合には経腸栄養チューブを用いたほうが望ましいというコメントを戴き、リーフレットに記載しました。
なお、レスピアは新生児(早産児)においては半減期が長いので、仮に吐いたとしても1日では血中濃度はあまり低下しません。よって、過量投与を防ぐためにも当日に投与を追加するのは避けて翌日の投与をおすすめします。

  1. リーフレット「レスピアの使用にあたって」
Q. フロセミドの配合禁忌にフロセミド内服製剤は含まれますか。
A. 添付文書では、フロセミド注射液との配合は禁忌ですが、フロセミド内服製剤(錠剤、細粒剤)との配合(混合)については検討しておりません。
念のため、配合(混合)は避けていただきますようお願いします。
レスピアは内服の場合、30分~2時間で完全に吸収されますので、投与時刻をずらす等の検討をお願いします。
Q. フィルターの通過性・吸着性について教えてください。
A. フィルターの通過性・吸着性に関する試験を行っておりません。
製造工程において孔径0.2μmの除菌フィルターを通過しており吸着は認められていません。
Q. ワンショット静注(ボーラス投与)は可能ですか(初回投与・維持投与)。リスクはありますか。初回投与と維持投与の両方について教えて下さい。
A. 添付文書に記載されている用法・用量は、「初回投与の場合には、20mg/kgを30分かけて静脈内投与する。維持投与の場合には、5mg/kgを10分かけて静脈内投与、又は経口投与する」です。
設定時間より短い時間で静脈内投与されますと、血中濃度が上がり過ぎ、頻脈などの可能性があります。
(添付文書記載内容)1)
初回投与: 通常、カフェインクエン酸塩として20mg/kg(本剤1mL/kg)を30分かけて静脈内投与する。
維持投与: 初回投与から24時間後以降に、通常、カフェインクエン酸塩として5mg/kg(本剤0.25mL/kg)を1日1回、10分かけて静脈内投与、又は経口投与する。なお、症状に応じて、10mg/kg(本剤0.5mL/kg)まで増量できる。

  1. 1) レスピア静注・経口液60mg 添付文書 (第3版) 【用法・用量】
Q. 初回投与は静脈投与となっていますが、経口投与に変更できますか。
A. 国内で承認された初回投与の用法は静脈内投与のみであり、初回投与を経口投与で行った場合の有効性、安全性は確認されておりません。
無呼吸発作発現後、出来る限り早くカフェイン血中濃度を上げる必要性があるため、静脈内投与が設定されています。
また、維持投与の2~4倍量となる初回投与量を経口投与で投与することにより、胃腸機能が未発達な未熟児では、胃腸への刺激となる可能性があります。
Q. テオフィリン製剤では効果不十分と思われる場合、レスピアに切り替えて効果は期待できますか。
A. テオフィリンとカフェインはどちらも「キサンチン系」です。また、両剤とも主な作用機序がアデノシン拮抗作用並びにPDE(ホスホジエステラーゼ)阻害作用になりますが、心臓や中枢神経系、呼吸器系、さらに平滑筋弛緩作用や利尿効果についての作用の強弱は多少異なります。在胎週数33週未満の早産児無呼吸発作患児276例を対象とした、カフェインクエン酸塩とテオフィリンによる無呼吸発作の予防効果を比較したランダム化試験では、カフェインクエン酸による無呼吸発作の予防効果は認められましたが、テオフィリンに関しては、明確な予防効果は認められなかったという報告があります1)
テオフィリン製剤で無呼吸発作が治まらない場合、レスピアを使用いただくのも選択肢の一つと考えます。

  1. 1) J Pediatr Child Health.2009:45;587-592
Q. バイアルから必要量を取った後の残液を次回使用することは可能ですか。
A. レスピアは保存剤を含有しておりませんので、開封後はできるだけ速やかにご使用下さい。
また、使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるため、ご使用は避けてください1)

  1. 1) レスピア静注・経口液60mg 添付文書 (第3版) 7.適用上の注意
Q. 静脈内投与の場合希釈は必要ですか。原液で投与することはできますか。
A. 静脈内投与の場合、レスピアは初回投与は30分以上、維持投与の場合は10分以上かける必要があります。投与時間が遵守できるよう、原液または必要に応じて希釈しての投与をお願いします。
本剤の浸透圧比は0.5(生理食塩液に対する比)です。
注射用水で希釈するとさらに低張(0.2~0.3)になり溶血の可能性がありますので、希釈して静注する場合には、5%もしくは20%ブドウ糖液あるいは生理食塩液などでの希釈をお願いします。
Q. 経口投与の場合、希釈は必要ですか。原液で投与することはできますか。
A. 経口投与の場合、レスピアは原液、あるいは希釈いずれの投与も可能です。
Q. 希釈する場合の液量(希釈倍率)を教えてください。
A. レスピアの配合変化試験1)は4倍希釈で実施しています。これらの結果をご参照頂き、患児の状態に応じて必要であれば希釈をお願いします。
また、レスピアは保存剤を含有していませんので、開封後はできるだけ速やかに使用してください。使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないで廃棄して下さい。

  1. 1) レスピア静注・経口液60mgインタビューフォーム(第3版) p.10-12


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